ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)の本当の使い方は転換点をつかまえること
ATR とはAverage True Rangeの略で、ある銘柄のその日の変動率(ボラティリティ)を表すテクニカル指標を言います。
J・ウエルズ・ワイルダー・ジュニアが1970年代に開発したテクニカル指標です。ただ、日本では使われることが少なく、真の値幅の平均値みたいな感じで訳されたりしています。
簡単に説明すると、ATRは相場の変動が大きい傾向にあるのか、小さい傾向にあるのかを把握するテクニカル指標です。
ATRはモメンタムを図るためのテクニカル指標
大きな利益を狙うなら転換点を狙いたいですね。そんな転換点を狙うならモメンタムに関する分析が非常に有効です。
シンプルなテクニカル指標のひとつであるモメンタムを利用するのも良いのですが、モメンタムよりも確度の高いと言われるATRの方が役に立ちます。
ATRの計算式について
TR(True Range)を計測する
まず、1日の値幅を次の方法で計算します。
・ 当日高値-当日安値
・ 当日高値-前日終値
・ 前日終値-当日安値
この3つの中で最も大きいものがTR(True Range)となります。
ATRは変動率(ボラティリティ)を表すテクニカル指標なので、当日の高値から当日の安値を引いた値幅の計算をするのはピンときますね。
しかし、当日の動きに前日終値が絡んだ計算をするのは、窓(ギャップ)をあけて動くことがあるからです。
例えば、前日終値が100円だとすると、当日110円で寄り付き、そこから120円まで上昇したら、TR(True Range)は、
120-110=10 ではなく、 120-100=20 となります。
ピンときましたか?笑
TRのからATRを計算する
TRを求めたら、ATRの計算に移ります。
ATR=TRのn日間の指数平滑移動平均値
となります。指数平滑移動平均値を求めるので、具体的に計算するとちょっと難しくなります。
ただ、我々はテクニカル指標研究者ではなく、プレーヤーなので、分からなければこの辺りの話はすっ飛ばしましょう。
ATRの使い方
ATRが上昇することでボラティリティが高くなっていると判断します。反対にATRが下落することでボラティリティが低くなっていると判断します。
ここで、ボラティリティとは株価が動く大きさのこと(変動幅)を意味しています。
通常、相場というのは上昇トレンド、下降トレンドの2つのトレンドを作り、値動きを起こします。
また、上昇トレンドと下降トレンドのボラティリティをイメージすると、下降トレンドの方が大きく動くことが多いです。
つまり、上昇トレンドから下降トレンドに転換する局面でATRを使うのです。
ATRから暴落を狙う
上昇トレンドから下降トレンドに転換する局面でATRを使う場合ですが、ATRが長期に渡り下落を演じているのを確認します。
そして、そこからくいっと上向きに転じたポイントを狙います。
具体的には、後日解説を加えていきますね。もう少しお待ちください。
また、過去の暴落を見て、過去のATRの水準を確認しておくのも重要です。歴史は繰り返すのと同じように相場も繰り返しますので。
まとめ
ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)の本当の使い方、如何でしたでしょうか?
このATRですが、暴落の専門家といわれる小生にとってはお気に入りのテクニカル指標のひとつです。
ただ、残念なことに今のところATRを使いこなされていないというよりか、知られていません。
でもリーマンショック級の暴落がくれば、一気に知名度が上がるかもしれません。なぜなら、リーマンショックで恐怖指数(VIX指数)も有名になりましたから。
まぁ、それよりも我々は使えるテクニカル指標を使い、大きな利益につなげていきたいですね。
もちろん、ATRだけで上手くエントリーできないときには、移動平均線分析を加味するのが良さそうです。
ということで、急落・暴落局面も大きな利益につなげていきましょう。