転換点を狙うなら炭鉱のカナリアを観察しよう
炭鉱のカナリアって聞いたことがあるでしょうか?
多くの投資家にとっては、「炭鉱のカナリア」という言葉は聞きなれないと思いますが、暴落を専門で狙うような投資家なら誰もが知っている言葉なんです。
炭鉱のカナリアとは、何らかの危険が迫っていることを知らせてくれる前兆を言います。
炭坑内で有毒ガスが発生した場合、人間よりも敏感に反応するカナリアがその危険を察知し、さえずりを止めます。それで、危険を察知することできるということです。
炭鉱のカナリアの声が聞こえればそれは暴落注意報
一般にマーケットにおいては、炭鉱のカナリアは転換点を捉えることができるものとして知られています。
VIX指数なんかはよく知られていますね。この他にも、プットコールレシオや、ハイイールド債、小型株指数、コモディティ関連などが、相場の先行き不安を知らせる炭鉱のカナリアとして注目されています。
ただ、これらの内容を深く解説しようと思えばかなり難しい内容になってしまいますので、ここでは簡単な解説にしておきます。
これらの指標は超マクロ指標として使うので、その出番は年に1~2回です。とはいっても、転換点を捉えるのにはとても有効です。気長に追跡してくださいね。大きなリターンが得られますから。
プットコールレシオ
プットコールレシオは、頭文字をとってPCRとも呼ばれ、オプション取引において、プット(売る権利)の建玉をコール(買う権利)の建玉で割って算出されます。
これは、オプション市場の強弱感を表す指標として使われ、一般的にPCRの上昇はプットが買われることであり、弱気派優位を示しています。反対に下落はコールが買われることであり、強気派優位を示します。
PCR=(プットの売買金額/コールの売買金額)÷100で算出され、上昇すると悲観論者が増えてきたとされ、反対に下落すると楽観論者が増えてきたと読みます。
PCRが上下に振れたから今すぐ相場がどっちに動くとか、他の指標でも代用できるじゃないか、という感じもしますが、暴騰・暴落の転換点ではオプショントレードが炸裂しますので、感度の良いPCRは目が離せません。
ちなみに、PCRは逆張り指標として使われ、一般的に急上昇は大底局面、急降下は天井局面となることが多いと言われます。
VIX指数
VIXとはボラティリティ・インデックスの略称で、VIX指数とは、シカゴ・オプション取引所がS&P500を対象とするオプション取引のボラティリティをもとに算出している指数のこと言います。別名、恐怖指数とも言われます。
また、ボラティリティとは、株価変動の度合いのこと言います。株価が上下に激しい動きをするほどボラティリティは高くなります。
VIX指数は、相場が平穏の時には、10から20の間で推移することが多いですが、相場の転換点に差し掛かった時には、低い値位置から急上昇を始めます。これを確認できれば、他の指標とともに相場の転換可能性を探ることになります。
ハイイールド債
ハイイールド債とは、ジャンク債とも呼ばれ、低格付けのデフォルトリスクの高い債券のことをいいます。ハイイールド債は金融市場が崩れるときは、先行指標になると言われています。
また、転換点を捉えるためには、米国債とハイイールド債のスプレッドの拡大に注目します。このスプレッドが拡大し始め、この拡大が止まる気配がない時には、株式市場崩落の可能性が高まります。
ここに注目するのです。深掘りすると、かなり難しくなりますので、ここらでさくっと切り上げますね。
小型株指数
ここ最近、世界中の株式市場は米国株式市場に追随しています。とすると、先行指標として機能する小型株指数はラッセル2000ですね。この指標を知っている人は多いのですが、効果的な使い方を知っている人は少ないですね。
そう、このラッセル2000は相場の先行指標として使えるのです。2018年2月5日から始まる暴落も先行指標指として機能しています。こんなシンプルな指標を使わないなんてもったいないです。ちなみに、天井圏だけでなく底値圏でも使えますよ。
有名なアナリストの相場観
かなり前のことなのですが、バブル崩壊後からの225先物のチャートを使い、セミナーで今後の動向について解説していました。
チャート分析という観点からすると、「日経平均は8000円ぐらいまで落ちる可能性がありますよ」と話をしたのですが、受講生や証券マンからは、あり得ないと。
その時、日経平均はガンガンと上昇していたので、弱気組は蚊帳の外。相場悲観論者としての小生は超少数派という感じです。周囲を見渡しても、弱気論者はほとんどいなかったような気がします。
新聞・雑誌を見てみても、強気組が今後の予想で盛り上がっています。日経平均は20000円を目指すという記事も出てきました。アナリスト予想もこうなれば、天井を付けるサインとなります。
実は、100人のアナリストが100人とも強気相場を予想すれば、相場は必ず下落します。そう、トレンド転換です。なので、絶好の売り場です。ホント、この指標、すっごく使えるのです!!
やり方としては、アナリストの相場観を数値化してデータを取ります。これを時系列に並べてチャートにすれば、相場の「天」と「底」を見極めることが出来るのです。繰り返しますが、これってかなり使えますよ!!
最初は、新聞・雑誌に載っているアナリストを適当に20人ピックアップします。そして、単純にそのアナリストの相場観を強気か弱気で分け、それを集計していきます。
その相場観が、どちらかに一方に偏った時がトレンド転換のタイミングとなります。18人~20人のアナリストの相場観が一致すれば、トレンド転換のサインが点灯です。
アナリスト相場観を炭鉱のカナリアとして使えることを知っているのはかなり少数です。そんなタイミングもなかなか来ないですが、来たらデカいです。
我々個人投資家は、じっくりとそんなタイミングを待ちたいものですね。
まとめ
炭鉱のカナリアを観察し相場の転換点を狙う、如何でしたでしょうか?
実は、この手のテクニカル指標は相場の状況によって使い分けることが必要です。
今の相場なら、米国市場のテクニカル指標を使うのも良いかも知れません。つまり、米製造業景況指数、米消費者信頼感指数、米長短金利差も使えます。
なので、今後も加筆して充実させていきますね。
そうそう、炭鉱のカナリアを研究するということは、暴落を利益に変えるためですよね。これもじっくりと読んでくださいね。
ちなみに、ブログやメール配信で過去の暴落をドンピシャで解説していますが、炭鉱のカナリアの声が聞こえたからですよ!