株はアノマリーで攻めよう!

株はアノマリーで攻めよう!知らなきゃ損する!?

株式市場だけでなく、FX、米国株など、相場の世界には季節的な値動きがあるのです。そう、アノマリーです。

アノマリーとは、金融工学や財務論等の相場に関する理論の枠組みでは説明することができない、経験則的に観測できるマーケットの規則性のことを言います。

相場では、マーケットの需給だけでは説明しきれない価格変動がしばしば起こります。一般的には、株式市場の株価はファンダメンタルズに基づきマーケットの需給関係によって価格が形成されると言います。

しかし、マーケットの需給だけでは説明しきれない価格変動がしばしば起こります。このような合理的に説明できない株価変動をアノマリーと言います。

しかも、同じ時期に同じように起こるというのもアノマリーの特徴です。

アノマリーは売買のタイミングにつながり、年間収支は大きく向上するはず!

とすると、アノマリーをざっくりと知っておくことは、売買のタイミングにつながり、その結果、年間収支は大きく向上するはずです!

ちなみに、強いベテラン投資家は、主としてチャート分析を使いながら、従としてアノマリーを考慮しているという事実も重要ですね。

では、月別にアノマリーを見ていきましょう。

1月のアノマリー ロケットスタート ご祝儀相場

1月のアノマリーはロケットスタートです。ご祝儀相場とも言われます。

新年を迎えたことで、期待も大いに含まれますが、株式相場で1月の収益率が他の月よりも高くなりやすいです。これを1月効果とも言われます。

年末に税金対策としての売りが多くなる一方で、年明けには新規の投資資金が流入しやすいという事が要因です。

また、「1月が相場を決める!」とも言われます。すなわち、1月の動きが1年の動きを支配するということです。1月が上昇なら年間も上昇、1月が下落なら年間も下落という事です。

このアノマリーの信頼性はかなり高いので、覚えておきましょう。

2月のアノマリー 二八(ニッパチ)、節分天井彼岸底

二八(ニッパチ)とは、2月と8月は経済が停滞することが多いことから、このことが株式市場にも影響を与え、閑散とすることが多いという事です。1月の上昇アノマリーの反動という事も考えられています。

そして、もうひとつ、相場格言にもある「節分天井・彼岸底」です。

節分の時期(2月上旬)に高値をつけて、彼岸の時期(3月中旬)に安値をつけるという、相場格言。年初から新春上昇相場が始まると、その上昇は節分の時期まで続き、その後は3月決算シーズンまでは調整局面になり、反落していくという相場アノマリーを言います。

3月のアノマリー 決算シーズン 円高圧力

3月のアノマリーは、2月の節分天井からの流れを引き継いで、彼岸前後(3月中旬)までは株価は軟調になる傾向があります。

しかし、3月末は決算期末ということで、3月中旬以降は3月の権利確定日に向けて、配当狙い、優待狙いの買いが入り始め、相場は再度上昇に向けての動きとなりやすいです。

また、3月は金融機関の決算期末ということで、借りた株の返却のために、空売りの買戻しが起こることも多く、上昇に弾みをつけることもあります。

為替の世界では、3月は9月と共に、円高圧力がかかりやすい月として知られていますので、こちらも覚えておきましょう。

1月から3月までは投資アノマリーに従うのがベスト!?

ここで、1月~3月のアノマリーから資金の流れを考えてみましょう!

ご祝儀相場、1月効果のより、節分頃まで投資資金が流入し、相場は上昇する。

2月は節分前後まで上昇するも、経済に停滞感が出ることで、相場も停滞し、その後は3月決算に向けて調整局面に。

彼岸前後には3月決算銘柄の配当狙い、優待狙いの買いも入り出し、相場は再び上昇していく。

こんな流れは、しっかりと頭に叩き込んだ方が良いですね。

4月のアノマリー 新年度入り

4月からの新年度を受けて、期待とともに株価が上昇するというアノマリー。

過去を調べてみると、4月は1年間で最も高いパフォーマンスが期待できる株高アノマリーなのです。

5月のアノマリー ゴールデンウィーク 鯉のぼり天井

端午の節句を過ぎたら、株価がじりじりと下降していくという株価アノマリーです。

5月の下落アノマリーに関してはいろんなことが囁かれます。

そんなアノマリーの中でも最も有名な格言は、「Sell in May」ですね。

「Sell in May」ですが、実はこのあとに続きがあって、本来は「Sell in May, and go away.」という格言なのです。

日本語訳にすると、「5月に株を売って、その後は相場から離れましょう」という意味になります。実は、日本でも同じような相場格言があります。「鯉のぼりの季節が過ぎたら株は売れ」というものです。

この株価下落アノマリーを実際に検証してみると、5月に高値を付け、その後下落を開始し、秋まで低迷が続くという値動きが見られます。

実は、もっともっと続きがあって、本来は「Sell in May and go away ; don’t come back until St Leger day.」という相場格言なのです。

日本語訳すると、「株は5月に売って、セント・レジャー・デーまで戻ってくるな」ということになります。

ここで、St. Leger day(セント・レジャー・デー)とうのはいつなんだ?ということですが、それは、9月の第2土曜日のことです。

つまり、日本でよく言われる「Sell in May」という相場格言の意味するところは、「株は5月に売ったら相場から離れ、9月のSt. Leger day(セント・レジャー・デー)までは戻ってくるな(株価低迷が続くので)」ということを意味しているのです。

究極の相場アノマリーは9月に買って、5月に売れ

この相場格言から、もっともっとアノマリー投資に徹するというのでしたら、「株は5月には売り処分し、9月に新規の買え入れれば良い」ということです。

裏を返せば、「9月に買って、翌年の5月に売れ」ということですね。

ちなみに、日本で5月に株価が下落するのは、5月はヘッジファンドの決算が集中しているためとか、企業の納税対策のためなど、と言われていますが、実際はちょっと異なりそうです。

6月のアノマリー 息切れ相場 サマーラリー準備

セルインメイで売り込まれた相場状況なら、再上昇する準備に入るアノマリー。

もしくは、セルインメイが遅れていて、セルインジュンになる可能性もあります。

どちらにしても、予備月という感じで、5月相場の終了を確認しての対応となりそうです。

7月のアノマリー サマーラリー開始

サマーラリーとは、7月半ばから8月半ばの夏真っ盛りの期間中に株価が上昇するアノマリーを言います。

このサマーラリーですが、そもそも米国株式市場のアノマリーでしたが、グローバルな関連性が深くなることで、東京株式市場にも影響を与えています。

8月のアノマリー サマーラリー終了 夏枯れ相場

7月半ばから続く株価上昇アノマリー、サマーラリーは8月半ばまで続くことが多いと言われます。

8月後半は、上げすぎた株価が調整に入ったり、高値圏でのもみ合い局面に入ります。

そして、このサマーラリーと正反対のアノマリーが、夏枯れ相場です。

夏枯れ相場とは、夏季休暇に入り、市場参加者が減少することで、株価の動きが鈍くなり、閑散となるアノマリーです。

ただし、出来高が少ないため、ちょっとした好悪材料でも、乱高下することになりますので、相場に向かうなら注意が必要です。

9月のアノマリー 反落月間

9月は一般的にパフォーマンスが悪い月として知られています。特に、大きなサマーラリーが発生していれば、調整を余儀なくされます。

そんな株価下落月間と言われるのが9月です。

ちなみに、過去のバブル的上昇は9月に天井を迎えることも多いです。あの1929年の大暴落も9月に天井をつけていました。

10月のアノマリー 秋の暴落シーズン

上がり続ける株はないと言われますが、反対に下がり続ける株もないのです。

つまり、9月相場は株価が落ちやすい月と言われており、それが現実化したら10月は株価がいったんは底をつけるという相場アノマリーです。

これに対して、秋の暴落シーズンという特徴も持っています。過去の大暴落を検証すると10月に集中しているのがわかります。

以上からすると、10月の株価動向は、8月、9月の値動きの影響を受けやすいとも言えます。つまり、8~9月の値動きをもとにチャート分析が必要となりますね。

アノマリー投資にチャート分析を持ち込むのは何なので、もうひとつ米国の相場アノマリーを。

米国の相場格言に、「株は10月に買って、4月に売れ」というものがあります。ハロウィンアノマリーと呼ばれる投資法です。

ハロウィンアノマリーとは、大きく下落する傾向にある10月に買って、「Sell in May」と言われる5月に売る、というものです。

あまり投資に時間を取られたくない!という方なら、10月の最終営業日に株を買って、4月の最終営業日の売るという投資法も面白そうです。

ちなみに、ハロウィンは毎年10月31日です。

11月のアノマリー 中間決算相場

11月に入ると、好業績期待の強い銘柄に買いが入るなど、中間決算相場になります。

値動きに関してはパッとしないことも多いですが、じっくり吟味して銘柄を選択をしていく相場となります。

なので、できればチャート分析ができれば好ましいですね。

12月のアノマリー 餅つき相場 節税相場

12月は確定申告の締め日ということもあり、節税売りの傾向があります。つまり、含み損の株を売却することで、実現益と相殺させ、納税金額を少なくします。

このような投資行動により、株価が下がりやすくなるという株価アノマリーです。

このような節税売りは12月末までに一巡し、翌年1月からご祝儀相場や1月効果として、株価が上昇を始めます。

まとめ

アノマリーに基づく値動きをおおよそを知ったうえで、買うタイミング、売るタイミングを見極めていけば成績も上がるはずです。

事実、相場というのは先ずチャート、次にアノマリーで動いている!と言われることからも重要性を感じられますね。

そう考えると、アノマリー分析は売買の上で重要な要素の一部になってくるのではないのでしょうか。

明日からスマートトレーを!

ABOUTこの記事をかいた人

独自のチャート分析をもとに相場を張っている現役トレーダー。チャーチストと言われるにもかかわらず、ファンダメンタルズ分析やヒストリカル分析にも詳しい。中でも暴落・暴騰分析は抜群である。メルマガでの的確な天底予測では多くの読者が驚愕する。セミナー講師としても引っ張りダコ。登壇回数は800回を超える。相場の本質を突いた解説はプロからも定評がある。書籍は出せば売れると業界でも注目株。2020年7月に6冊目の新刊が発売されている。