株価をざっくりと予測できれば相場は楽しい

株価をアノマリーなどで大まかに予測出来れば、勝てる確率はグッと上がります!

株価をざっくりとでも予測できれば、相場はもっと面白くなりますね。つまり、相場観にアタリをつけることが出来たり、アノマリートレードで利益にあやかろうとしたり、考えただけでワクワクします。

そんな面白い相場分析法やアノマリーを解説していこうと思います。まぁ、楽しくお付き合いくださいませ。

節分天井、彼岸底というアノマリーについて

相場格言とも言えますが、節分天井、彼岸底というアノマリーがあります。あまりにも有名ですのでご存知の方も多いと思います。

これは、節分頃(2月上旬)に高値をつけてから下げ始め、彼岸頃(3月中旬)に底をつけやすいといアノマリーです。

一般的に1月末~2月上旬は、多くの国内企業で第三四半期決算が行われる時期です。業界によっては大きな盛り上がりを見せ、2月上旬までは株価は堅調に推移します。

そして、その勢いに陰りを見せるのが2月上旬です。さらに、機関投資家に関しては、3月本決算に向けての売りが出始める時期とも言われます。

つまり、2月上旬が節分天井と言われる所以です。

この流れがいつもいつも正しいわけではありませんが、一般的に株価が下がりやすくなり、下降トレンドが出れば3月中旬まで続くことが多いです。

3月中旬になると、個人投資家が配当金や株主優待狙いで資金が入りだします。これが彼岸底と言われるタイミングになる事が多いです。

これを知って相場を眺めると、なんとなく大局観が身につき、無駄なロスカットトレードが減りますよ。

フェルミ推定で株価を予測できれば楽しくてたまらない!

相場を大きく勝つためには、相場を予測し、大衆よりも少しだけ先に動くことが必要となります。そんなときに役に立つのがフェルミ推定です。

最近、外資系企業の採用試験や面接でよく出題されることから、「フェルミ推定」という言葉をよく耳にするようになりました。

フェルミ推定とは、すぐには答えが求まりそうもない捉えどころのない問題を短時間で大雑把に概算してしまう方法のことです。

つまり、不確実性が多い株式市場を分析するのに最適なんですよ!!

フェルミ推定って何?

フェルミ推定は、ビジネスの色々な場面で活用できることから注目を集めています。株式投資においても、フェルミ推定を活用することでより合理的な投資判断ができるようになることが期待できます。

フェルミ推定の対象となるのは、例えば、「東京都にはマンホールがいくつあるか?」といったような問題です。このような簡単には答えが求まりそうにない数値を求める問題のことをフェルミ問題と呼びます。

フェルミ問題をいくつかの適切な仮定と入手可能な情報に基づいて、およその値を求めてしまうことをフェルミ推定と言います。およその値というのは、もう少し正確に言うと数値の桁数を意味します。

東京都のマンホール数の問題で言えば、マンホール数が十個なのか、千個なのか、一万個なのか、数値の桁数を知ることを目的にします。正確な数値は求めることが不可能な問題であっても、フェルミ推定を使えば桁数ぐらいは推定できることが多いのです。

フェルミ推定という名称は、イタリアの物理学者エンリコ・フェルミ(Enrico Fermi, 1901-1954)の名に由来しています。フェルミは、原子爆弾の開発を行ったマンハッタン計画で中心的な役割を演じ、1938年にはノーベル物理学賞を受賞している20世紀を代表する物理学者の一人です。

フェルミは、情報が不足していて正確に知ることが困難な量を、短時間で概算することを得意としていました。フェルミは、教鞭をとっていたシカゴ大学での講義で「シカゴにピアノの調律師は何人いるか?」という課題を出し、思考のスキルとしてフェルミ推定の重要性を説いています。

また、「フェルミのパラドックス」と呼ばれる、宇宙人の存在についてのパラドックスも有名です。フェルミは、フェルミ推定によって宇宙人の存在確率を概算で求めました。

その結果は極めて高い確率で宇宙人が存在していることを示唆しているのですが、現実には宇宙人が存在する痕跡が全く見つかりません。

これが、フェルミのパラドックスです。フェルミ推定が色々な場面で使える理由は、宇宙人の存在確率という荒唐無稽に思えるような量であっても科学的に概算できるところにあります。

フェルミ推定を使ったアタリの付け方

フェルミ推定の手順は、次のようになります。

まず、誰でも簡単に入手できる既知のデータから目的の量を導き出すための仮説を立てます。そして、その仮説に基づいて立てた数式と既知のデータを用いて計算を実行し、目的の量を求めます。

「東京都にマンホールがいくつあるか?」という問題を例に、フェルミ推定のプロセスを見てゆきます。この問題では、東京都のマンホール数は東京都の世帯数に比例し、10世帯につき1個のマンホールが設置されているという仮説を立てます。

また、東京都の一世帯の人数を平均で二人と仮定します。すると、平成30年の東京都の人口が1300万人であるというデータから、以下のようにして東京都にあるマンホールの数を推定することができます。

  • 東京都の世帯数=1300万人÷2(人/世帯)=650万世帯
  • 東京都のマンホール数=650万世帯÷10(世帯/個)=65万個

東京都水道局のホームページを参照すると、平成27年度末のマンホールの数が484,058個との記載があります。フェルミ推定で求めた65万個という値は、実際よりも大きく見積もられていますが、10万という桁は合っていることが分かります。

フェルミ推定は、元来、物理学者や工学技術者の思考法として用いられてきたものですが、最近ではビジネスパーソンの論理思考のスキルとして認知されるようになりました。例えば、マーケティング戦略を考えるときの市場分析にフェルミ推定を活用することができます。

フェルミ推定を株式市場にあてはめる

株式投資においてもフェルミ推定は役立ちます。株式投資の難しさは、はっきりとした答えが分からない将来の市場を予測して投資判断をしなければならない点にあります。

合理的な根拠もなく感覚的な判断での投資を繰り返していると、たいていの場合、利益を上げることはできず、ときには大きな損失を出してしまいます。根拠のある合理的な投資判断をするために、フェルミ推定を活用することができます。

投資家を悩ませる多くの問題は、簡単には答えが出そうにないフェルミ問題です。以下は、株式投資に関わるフェルミ問題の例です。

  • 1カ月後の日経平均はいくらか?
  • 次の暴落が起こったとき日経平均の安値はいくらになるか?
  • 1カ月以内に暴落が発生する確率は?
  • 現在のトレード資金とトレードルールで1年間にいくらの利益が出せるか?

このような問題に対して正確な答えを得ることは不可能ですが、フェルミ推定を行えば、ある程度の当たりをつけることができます。

株価が上昇するか下落するかのように単に方向だけを予測するのではなく、ある仮説をたてておよその数値を算出しておくことで、より合理的な投資判断が出来るようになります。

まとめ

株価をざっくりと予測できれば相場は楽しい、如何でしょうか?

なんとなくわかったようで、わからない感じですよね。もしくは、使えそうだが、使えない感じですよね。笑

一見つかみどころがないように思えるアノマリー、ヒストリー分析、フェルミ推定ですが、これを株式市場にあてはめ、アタリをつけることが出来れば、大きなチャンスを手にすることが出来ます。

もちろん、この手の相場分析はマクロ的思考なので、ミクロに落とし込む時にはチャート分析の知識も必要になります。

つまり、マクロ的分析手法とミクロ的分析手法であるチャート分析を融合させれば、株式市場に立ち向かうには鬼に金棒ですね。

ちなみに、「暴落の専門家」と呼ばれるようになった小生ですが、暴落の予測するにもフェルミ推定は役に立ちますよ。

株の暴落を仕留めるためにはチャートから前兆を読み取ろう

ABOUTこの記事をかいた人

独自のチャート分析をもとに相場を張っている現役トレーダー。チャーチストと言われるにもかかわらず、ファンダメンタルズ分析やヒストリカル分析にも詳しい。中でも暴落・暴騰分析は抜群である。メルマガでの的確な天底予測では多くの読者が驚愕する。セミナー講師としても引っ張りダコ。登壇回数は800回を超える。相場の本質を突いた解説はプロからも定評がある。書籍は出せば売れると業界でも注目株。2020年7月に6冊目の新刊が発売されている。