RCIでエントリータイミングを見極める
RCIとは、「Rank Correlation Index」の略で、「順位相関指数」と呼ばれています。これは、株価と日付に順位をつけ、その順位の相関の度合いから、株価の反転するタイミングを捉える指標です。
ここでいう相関とは、互いに影響し合っている状態のことをいいます。一組の対になった数値が同じ方向へ向かっている度合いが大きいほど、相関は強いことになります。
反対に、一組の対になった数値が反対の方向へ向かっている度合いが大きいほど、反対方向への相関が強いことになります。これを逆相関といいます。
RCIで押し目買いと戻り売りのタイミングを捉えよう
少し難しくなりましたが、簡単に言うと、株価と日付の相関関係を利用し、押し目買いと戻り売りのタイミングを捉えようとする指標です。このRCIは移動平均線と一緒に使うことで、値動きがより正確に読めるようになります。
RCIは、株価と日数を重視しているため、計算日数を各銘柄のトレンドに合わせることにより、効果的に利用できます。もちろん、RCIは万能指標ではないので、読み切れないところは他の指標でカバーすれば問題ないです。
実践で使っているうちにわかりますが、RCIは単独でもかなり使える指標です。細かく解説すればきりがないのですが、まずはシンプルな使い方をマスターしましょう。
RCIの実践的利用法
6305日立建機の日足チャートを見てみましょう。チャート下段がRCIです。RCIは2つの線がありますが、大きく波を打っているのが短期線(9日)、緩やかな線が長期線(27日)です。
一般的に、長期線が0%より下の範囲で推移している場合には下降トレンド、0%より上の範囲で推移している場合には上昇トレンドと解釈します。
長期線が0%ラインを下から上に、もしくは上から下に抜けてきたらところがトレンド転換を示唆するポイントだということです。これが最も重要です。そして、短期線、長期線が指し示す方向が株価の向かう方向と解釈します。
では、具体的に見ていきましょう。
まずは、「1」からです。長期線が0%ラインを下から上に抜けてきました。これは、トレンド転換の可能性を示唆しています。上段の25日移動平均線を見てみると、傾きが水平からじわじわと上向きに転じようとしています。つまり、トレンド転換の可能性を表しています。
その後は見ての通り、きれいに上昇トレンドが発生しています。この後、長期線は4月上旬まで高値圏で水平の軌跡を描いています。これは、力強い上昇トレンドを意味しています。
RCIで押し目のタイミングを見極める
次は、「2」と「3」を見てみましょう。長期線は80%以上の水準で水平に推移しています。これは上昇トレンドであることを表しています。
短期線はマイナス60%のところまで下落して、切り返しています。この部分の日足チャートを見ると、25日移動平均線までの調整を演じています。つまり、絶好の押し目を作っていることがわかります。
RCIの短期線をエントリーのタイミングとして使うならば、短期線が下落からくいっと上昇に切り返したところです。もちろん、この時に25日移動平均線のサポートを確認できれば、安心してエントリーできます。
さらに、「4」を見てみましょう。今度は、長期線が0%ラインを上から下に抜けてきました。これは、トレンド転換の可能性を示唆しています。上段の25日移動平均線を見てみると、傾きが水平になっています。
トレンド転換する可能性はありますが、現時点ではちょっと微妙です。移動平均線などの動きを見ながら、エントリーチャンスを待ちたいところです。
RCIで絶好の戻り局面を見極める
最後に、「5」を見てみましょう。短期線が大きく上昇して、がっくりと下落に転じてきたところです。しかも、長期線はマイナス圏半ばで推移しています。下降トレンドが発生しているのであれば、戻し局面と考えられ、売りを仕掛ける局面です。
日足チャートを確認すると、25日移動平均線近辺からの下落で、5日移動平均線は『がっくりチャート』になっています。
しかも、25日移動平均線はじわじわと下向きに転じて、トレンド転換を示唆しています。絶好のエントリーチャンスです。そして、翌日から本格的な下降トレンドが発生しています。
実践では、「4」、「5」のポイントで相場の状態を読み、さらに5日移動平均線と25日移動平均線とで上手くタイミングを取り、トレンド転換の初動でエントリーしたいものです。
次は4183三井化学の日足チャートを見てください。
先ほどの6305日立建機の上昇トレンドとは異なり、下降トレンドになっています。
では、順番にポイントとなる所を見ていきましょう。
ますは、「1」からです。RCIの長期線が0%ラインを上から下に突き抜けてきました。トレンド転換の可能性がある局面です。日足チャートを見てみると、25日移動平均線の傾きは水平なので、ここからトレンドが出るかどうかという局面です。
ただ、5日移動平均線が『がっくりチャート』なれば、売りエントリーしてもよいでしょう。もし、再度5日移動平均線、25日移動平均線をブレイクアップしてきたら、ロスカットすればいいだけですから。
ちなみに、この4183三井化学の場合は、ここから下降トレンドが発生しました。
次は、「2」と「3」を見てみましょう。長期線はマイナス80%ラインよりも下で水平に推移しています。これは強い下降トレンドを表しています。「2」と「3」では、短期線はプラス60%のところまで上昇して、反落しています。
この部分の日足チャートを見ると、25日移動平均線までは届いていないものの、反発局面となっています。
RCIの短期線をエントリーのタイミングとして使うならば、短期線が上昇からがっくりと下落に切り返したところです。もちろん、この時に25日移動平均線がレジスタンスラインにとして機能していることが確認できれば、安心してエントリーできます。
今度は、「4」を見てみましょう。「2」、「3」と同じ様な局面です。しかも、25日移動平均線近辺まで値を戻しています。しかし、「4」においては、長期線が上昇し始めています。これは、下降トレンドが弱くなってきていることを表しています。
しかも、5日移動平均線と25日移動平均線の乖離が小さいので、ここから少しでも上昇を始めるとすぐにゴールデンクロスとなります。「4」近辺で、新規売りを仕掛けたとしても、ちょっと気をつける局面です。
さらに、「5」を見てみましょう。長期線が0%ラインを超えてきたので、トレンド転換の可能性が高くなってきました。
「4」近辺で売りエントリーしているのなら、ロスカットを考える局面です。5日移動平均線が「くいっとチャート」になった時に、機械的にロスカットです。また、ロスカットと同時に、新規で買いエントリーすることも可能です。
結局、「5」でトレンド転換を期待するも上昇が続かず、25日移動平均線も水平のまま、小幅な値動きになってしまっています。
「6」では、RCIの短期線、長期線とも80%を超える高値圏からの下落となっています。しかも、ローソク足は25日移動平均線を割り込んできました。このタイミングで売りエントリーするのもとても面白いです。
最後に、「7」を見てみましょう。「7」でトレンド転換のサインが点灯していますが、25日移動平均線を見ると、すでにトレンド転換しています。新たに売りエントリーしもいい局面です。仕掛けたら、あとは買い戻しのタイミングまで引っ張ってみましょう。
まとめ
RCIと移動平均線を融合し売買のタイミングを見極める、如何でしたでしょうか?
RCIは移動平均線とうまく融合させると、絶好のタイミングでエントリーできます。エントリーが上手くできれば、損小利大のトレードシナリオが実行できます。
明日からぜひ、そんなタイミングをRCIを使って見つけてください。ということで、明日もスマートトレードを。