指数平滑移動平均線を上手な使い方
終値を単純に割って計算される移動平均線に対して、直近の終値に比重を置いて計算しているのが指数平滑移動平均線です。
日本では単純移動平均線を使う人が多いですが、チャート分析の本場米国では指数平滑移動平均線を使う人が非常に多いです。
一般的に米国のチャート分析者(チャーチスト)は日本と比べて、タイムスパンを長くしてこの指数平滑移動平均線を使っています。
また、景気不景気の分水嶺として使われている200日移動平均線なども単純移動平均線より指数平滑移動平均線を使う人の方が多いと思います。
指数平滑移動平均線は初心者でも使えるのだ!
よく言われるのが、単純移動平均線は初心者向けで、指数平滑移動平均線は難しいので上級者向けという人がいます。
いまや、移動平均線の種類を選択して使うだけですので、だれでも使えます。移動平均線としての使い方も同じですから。
移動平均線の種類を知っておこう
ここで良く使われる3つの移動平均線について解説しておきます。
単純移動平均線(SMA)Simple Moving Average
加重移動平均線(WMA)Weighted Moving Average
指数平滑移動平均線(EMA)Exponential Moving Average
単純移動平均線(SMA)Simple Moving Average
単純移動平均線については解説不要かと思います。解説を読みたい方はこちらをご覧ください。単純移動平均線だけでも勝てるようになるためのコツを書いていますので。
加重移動平均線(WMA)Weighted Moving Average
加重移動平均線は、株価に重み付けをするのが特徴で、現在に近いほど重きを置いて、過去に向けて徐々に小さくする方法で、当日の株価の平均値を求めます。
5日加重移動平均は、直近の終値を5倍し、その前日の株価を4倍し、2日前の株価は3倍し、3日前の株価は2倍し、4日前の株価は1倍(そのまま)とし、その合計を15で割ることで算出します。
5日間の加重移動平均線の計算式
当日の終値をA、1日前の終値をB、2日前の終値をC、3日前の終値をD、4日前の終値をEとします。
5日間加重移動平均線の当日の値=(5A+4B+3C+2D+E)÷(5+4+3+2+1)
計算式からわかるように、単純移動平均線と比べると、明らかに直近の株価に重みを置いて計算しているのがわかりますね。
指数平滑移動平均線(EMA)Exponential Moving Average
指数平滑移動平均線は、加重移動平均線よりももっと直近の株価に重きを置いて、素早く相場の変化を読み取ろうとする計算方法で当日の株価の平均値を求めます。
なので、指数平滑移動平均線は単純移動平均線よりも早く変化するのが特徴です。この特徴を生かして、相場の変化を感じ取るのです。
指数平滑移動平均線の特徴を知って使うだけで良い
ここでは、単純移動平均線と指数平滑移動平均線の違いについて書こうと思いましたが、いまやテクニカル指標も計算式など必要でもなく、単に表示させたいテクニカル指標を選択し、クリックするだけとなりました。
なので、難しい計算式の解説はせず、指数平滑移動平均線の特徴を紹介します。
指数平滑移動平均線の特徴を3つ紹介します。
1、指数平滑移動平均線は単純移動平均線よりも早く変化する
2、指数平滑移動平均線より当日の株価が上であれば今日の指数平滑移動平均線は上昇する
3、指数平滑移動平均線より当日の株価が下であれば今日の指数平滑移動平均線は下落する
実は、この特徴を深掘りしていけば、とっても大きなトレードのヒントが得られます!!
このあたりは後日にでも加筆していきたいと思います。
指数平滑移動平均線のだましについて
移動平均線を使うにあたって問題になるのが、「だまし」です。このだましのがあるがために移動平均線を使わないという人も多いと思います。
「単純移動平均線を使う場合は、だましが特に問題となるので、指数平滑移動平均線を使いましょう!」っていう人も多いのですが、直近株価への感度が高い分、指数平滑移動平均線の方がだましの可能性は高まるのです。
つまり、単純移動平均線を使おうが、指数平滑移動平均線を使おうが、使い手の技量に大きく依存することになります。
言い換えると、移動平均線はツールなので、ツールの使い手のレベルによるということになります。
なので、だましにあっても、不運によるだましなのか、読み間違いによるだましなのか、その検証を積み重ねていく必要があります。
指数平滑移動平均線も狙うタイミングはグランビルの法則を使おう
テクニカル指標としての単純移動平均線も指数平滑移動平均線も移動平均線という観点からは、実にシンプルです。ただ、シンプルがゆえに使い手の技量が問われます。
上記のゴールデンクロス、デッドクロスもそうなんですが、このエントリーポイントを否定する人が多いです。かなり使えるのにね。
実は、グランビルの法則もそうなんです。かなり使えるのに使えない人が多いですね。「グランビルの法則 使えない」で検索すると一杯出てきますから。笑
指数平滑移動平均線を使いこなすにあたっても、このグランビルの法則は外せません。場数を踏めば踏むほど確信しますから。
グランビルの法則についてはこちらからどうぞ。エントリーポイントを含め、かなり詳細に解説してますからパワーアップしますよ!
まとめ
指数平滑移動平均線を使いこなそう、いかがでしたでしょうか?
特に指数平滑移動平均線だから、という感じではなく、単純移動平均線を使いこなす感じと同じですね。
どちらを選ぶかは、感覚的なものです。
ぶっちゃけ、移動平均線分析を深掘りして研究しているなら、どっちを使っても同じような気がします!笑
というわけで、結論としては、指数平滑移動平均線か単純移動平均線という問題よりかは、移動平均線分析をトコトン極めようってことですね。