名目金利と実質金利の違いを知ればより経済が面白くなる!
名目金利とは
名目金利とは、世間で一般的に目にする表面上の金利がすべて名目金利となります。具体的には、銀行や証券会社などで定期預金の金利が年5%と表示されているものや、不動産のチラシに書いてある利回り10%っていうものを言います。
一見、うわべだけで、なんとなく本当ではないという印象を持ちますが、これが名目金利です。
実質金利とは
実質金利とは、名目金利に物価変動率(インフレ率またはデフレ率)を加味したもの言います。
つまり、名目金利が、物価変動により貨幣価値が下落、または上昇した場合を考慮したものが実質金利なのです。
たとえば、100万円の定期預金の金利が年5%でインフレ率が2%の場合を考えてみましょう。
100万円の定期預金は、翌年105万円となっています。しかし、インフレによってこれまで100万円で購入できたものが102万円に値上がりしているので、実質的には、3万円の利息しかついていないと考えます。
つまり、この3%が実質金利となる訳です。
実質短期金利と実質長期金利
実質金利にも、短期金利と長期金利があります。
1、実質短期金利とは、名目短期金利に現実に観察される物価変動率を加味したものを言います
2、実質長期金利とは、名目長期金利に長期の期待物価変動率を加味したものを言います
実質短期金利については、特に問題ないのですが、実質長期金利はちょっとややこしいです。
長期に渡る期待物価変動率は、その観察時点での数値と異なってくるからです。つまり、「期待」なんです。いまある現実の数値ではないということです。
ちょっとややこしい期待物価変動率ですが、実際は物価変動率を代用する場合もありますし、物価連動国債の利回りを代用することもあります。
投資先は実質金利で決まる
ここで、実質金利の利用の仕方を説明します。
X国とY国、どちらに投資するのかよいのか?という場面で、為替リスクは同じとして、理論的には、実質金利が高い国に投資した方が有利となります。
(名目金利)-(インフレ率)=(実質金利)
X国 10% - 7% = 3%
Y国 7% - 3% = 4%
つまり、名目金利10%のX国ではなく、実質金利が高いY国に投資した方が有利となります。
まとめ
超簡単!名目金利とは?実質金利とは?投資先はどっち?、如何でしたでしょうか?
経済用語として「金利」というときには、一般的には「名目金利」を指す場合がほとんどです。ただし、物価変動率を考慮すると、実質的な利回りは大きく異なることがあります。
なので、どっちが重要って訳ではないですが、名目金利、実質金利の両方を意識しながら、考えてみるのが良さそうです。
これって、株式投資、不動産投資にもつながりますから!