外国債券のリスクとリターンが見えれば、投資対象が見える
外国債券って言うと、かなり難しいイメージですが、カラクリを知ればそんなに難しくないです。外国債券とは、発行体、発行市場、通貨のどれかが外国である債券のことを言います。一般的には、略して外債と呼ばれています。
ここでは、そんな外国債券に投資するコツを解説したいと思います。
外国債券投資のリスクとリターンについて
外国債券の基本
そもそも債券とは、国や地方公共団体、企業が一般の投資家から資金を調達するために発行した有価証券のことを言います。
債券は、あらかじめ満期日や利回りが決められており、投資した投資家は定期的に利息を受けとることができますし、満期になると元本が償還されます。
なので、定期預金と同じような感覚で投資することができます。また、債券は中途償還はできませんが、市場で売却することが出来ます。上手くいけば、売買益を得ることもできます。
では、外国債券とはというと、単純に外国の債券ということになります。つまり発行体、発行市場、通貨のどれかが外国である債券のことを指します。ただ、これだけです。
ここで、債券投資のメリットやリターンをまとめてみます。
1、満期日に額面金額が全額返却される
2、満期までの間、利息を定期的に受け取ることができる
3、いつでも市場価格で売却できる
外国債券のリスク
外国債券は、償還までの期間や利回りが決められているので、銀行の定期預金のような感じですが、外国の債券という特徴から、いくつかのリスクがあります。
そんな外国債券のリスクについてひとつずつ見ていきます。
為替変動リスク
外貨建て取引では、為替差益が期待できるのがメリットの一つとなっています。しかし、為替レートが思惑と反対に変動することで、為替差損が生じる場合もあります。
外国債券に関する利息や償還金、売却益などを日本円で受け取る際には、為替相場の変動の影響を受けることになります。これが為替変動リスクです。
ご存知の通り、為替レートはその国の政策、経済動向、政治状況などが影響し、日々変動しています。時には大きく変動することがありますので、常に情報を精査したいものです。
価格変動リスク
購入した外国債券を償還日まで保有していれば、額面の金額を受け取ることができます。
償還日まで待たずに売却する場合、その時点の市場価格で売ることになります。この時、外国債権の取得原価よりも、市場価格の方が値下がりしていれば、売却損が発生することになります。
つまり元本割れを起こすことがあり、これを価格変動リスクといいます。
信用リスク
通常、債券の利回り、償還金額は決まっています。しかし、その金額が支払われるかどうかは、発行体の信用度に依存することになります。
どういうことかと言うと、発行体の財務状況が悪化して破綻すれば、利息や償還金の一部、または全部が支払われない可能性があります。これを信用リスクといいます。
カントリーリスク
外国債券では、発行体が所属している国に特有のリスクがあることがあります。例えば、政治不安でクーデターの発生や急激な政治・経済情勢の変化によって、債券の価格が暴落したり、最悪は利息だけでなく、償還金の支払いがなされない可能性もあります。
こうした国の信用リスクのことをカントリーリスクといいます。
信用リスク、カントリーリスクを判断する際に参考となるものは、格付け機関による格付けです。格付け会社の格付け情報をしっかりと確認し、外国債券の発行体リスクを確認してから投資しましょう。
流動性リスク
ある意味、一番怖いのが流動性リスクですね。イメージとしては、流動性のない新興銘柄って感じです。
購入した外国債券を償還日まで保有せずに売却する場合、買い手が極端に少なく売却することが出来ません。無理やり売却しようとすれば、大きな損失を被ります。極端な流動性減少を流動性リスクと言います。
外国債券のメリットは金利
外国債券はいろんなリスクがありますが、それ以上のメリットや魅力があるので人気があるのです。投資的に言えば、リスクに見合うリターンがあるので魅力的なのです。
そんな外国債券の魅力と言えば、ズバリ金利です。
低金利が続く日本に比べ、金利が高い新興国の外国債券は魅力の一つです。ただし、注意しなければならないのは、金利の高いということは、債券の信用リスクも高いということです。ここは、リスクとリターンを勘案して選ぶ必要があります。
また、日本株とは異なる値動きをするので、分散投資として外国債券を組み入れるということも投資リスク軽減という観点から良いとされています。
投資初心者でも外国債券未経験者でも簡単に出来る外国債券投資法
外国債券おすすめ投資法はインデックスファンド(投資信託)&ETF
インデックスファンド(投資信託)で投資する
外国債券に投資する最も簡単な方法は、インデックスファンドを利用して投資することです。
ここで、インデックスファンドとは、特定の指標(インデックス)と同じ動きをする投資信託のことを言います。パッシブファンドと呼ばれることもあります。ちなみに、インデックスファンド以外の投資信託をアクティブファンドと言います。
ちょっとわかりにくいかもしれませんので、言葉の解説をしておきます。
投資信託とは、投資家から資金を集め、それを様々な金融商品で運用することを言います。インデックスファンドのインデックスとは、日経平均株価やダウ工業株30種といった株式指数のことです。
インデックスファンドに分類される投資信託は、市場全体の値動きと同じ運用成果を想定した投資信託ですので、比較的投資初心者でも投資しやすい金融商品です。また、中長期的な運用が前提ですので、サラリーマン投資家や投資初心者向けと言えます。
世の中には様々な金融商品がありますが、その中の外国債券投資ファンドを選ぶことで、外国債券に投資することができます。外国債券のインデックスファンドでは、複数の外国債券に分散投資することによって、最も気になる価格変動リスクをなるべくおさえることもできます。
以上から、もっとも簡単に外国債券に投資するなら、外国債券インデックスファンドがおすすめ、となります。
外国債券投資としてETFを利用する
インデックスファンドへの投資が慣れてきたら、今度はETF投資です。
ETF( Exchange Traded Fund )とは、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)等の特定の指数に連動する運用成果をめざし、東京証券取引所などの金融商品取引所に上場している投資信託をいいます(上場投資信託)。
「えっ、インデックスファンドと何が違うの?」って質問が飛んできそうですが、 ETFはインデックスファンドが証券取引所に上場した金融商品と考えてください。
外国債券ETF(外債ETF)も金融商品としてたくさんありますので、上手く銘柄選択をして投資していきましょう。
通常の投資信託と比べて、手数料は相当安いので、外債ETFはぜひ、チャレンジしてみてください。
まとめ
外国債券のおすすめ、メリットとリスクについて、如何でしたでしょうか?
外国債券投資は、本記事だけの知識で十分に楽しめます。しかも、投資初心者でも外債未経験者でも大丈夫ですね。もちろん、結果は自己責任ですよ!
面白いことに、外債投資を始めると、政治・経済に敏感になります。
何年も前のことですが、専業主婦をしている友人が外債投資を始めました。1年後、かなりの政治・経済の知識を有することになりました。旦那さんは世界を飛び回る商社マンですが、彼の知識を超えているかも!?てな感じになっていました。
「外国債券のおすすめ、メリットとリスクについて」を読んで、外債投資にピンと来たら選択肢のひとつにどうぞ!