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損切りが出来ない理由を知れば、塩漬けにならない対策がとれるのだ!

なぜ損切りができないのか、その理由を知っておこう

個人投資家で儲かっている人は1割しかいないとよく言われます。相場の世界、勝つのはいつも少数派です。裏を返せば、約9割の人が負けているのです。

でも、何でそんなことになるのかって、その理由を考えたことってありますか?

ひとことで言うと、ロスカットできないからです。

相場の世界で勝つためには、損小利大のトレードをする必要があります。しかし、実際はというと、多くの個人投資家は、損大利小のトレードをしているのです。

損切りしなければ大損となるワケ

「今だぁ!」って思い、エントリーするも、思惑と反対に動き出し、含み損になった場合は、「トントンになるまで持っておこう!」と考えます。

しかし、相場は思い通りには動きませんから、するずると損失が大きくなっていきます。そして、「塩漬け」となっていきます。

もっともっと損失が膨らんでくると、最後には我慢できなくなり、「投げ」るのです。これが大損を引き起こすメカニズムです。

では、このようなことを理論的に解説してみましょう。

ロスカットが出来なくなる損失回避性とは

では、なぜ損切りができないのか。実は、人の心の中にあります。

経済学の最先端とも言われる行動経済学の研究では、「人間は得をした喜びよりも、損をした痛みが2倍大きい」ってことが判明しています。

つまり、1000円もらった嬉しさの2倍の痛みを、1000円を損した時に感じるのです。このようなことが、経済活動のさまざまな局面で、損失回避行動と呼ばれる「おこない」をします。

損切りがなかなかできないのは、まさしく損失回避行動の代表的な例です。

含み損を抱えても、そのまま保有を続ければ、いつかは状況が変わって損失が解消すると考えてしまうのです。そして、塩漬けになっていき、身動きがとれなくなるのです。

裏を返せば、この損切りをスマートに実行できれば、相場の世界で成功する確率は飛躍的に高まります。

損失回避性の具体例

ここで、プロスペクト理論の主軸と言われる損失回避性について説明します。

小難しい感じの理論ですが、とても簡単ですので、ぜひ読み進めてください。ロスカットできなという心理が見えてきますから。

損失回避性とは、言葉の通り、投資家は利益より損失を重く受け止める性質があり、その結果、損失回避の行動が優先されるという考え方です。

ここで、単純明快な2択のゲームを考えてみましょう。あなたなら、AかBか、どちらを選択しますか?

第1問
A、無条件に友人から10万円もらえる
B、コインを投げ、表なら20万円もらえるが、裏なら何ももらえない

経済学でいう期待値を比べると、どちらも10万円であるため、どちらでも同じと考えますが、実際には確実に10万円をもらえるAを選ぶ人が圧倒的に多いです。

20万円を狙い、その結果、何ももらえないというリスクを犯したくないという心理が働くのです。これが損失回避を優先するということです。

では、次の問題です。

第2問
A、無条件に友人に10万円を支払う
B、コインを投げ、表なら20万円支払い、裏なら支払い免除

この場合も、経済学でいう期待値を比べると、どちらも△10万円であるため、どちらでも同じと考えますが、実際にはBを選ぶ人が多いです。

10万円という確実な支払い(損失)から逃れたいという損失回避ために、第1問の選択とは反対に、あえてリスクを負う選択をすることになるのです。

このような損失回避性という投資家の心理の偏りによって、損失に関してはリスクをとってしまうのです。言い換えると、多くの人がロスカットが出来ないということです。

損失回避性は行動経済学からすると当然のこと

行動経済学において研究対象は人間。その人間は、合理的な意思決定を妨げる「認知のゆがみ」をたくさん持っています。

その中でも有名なのが、「損失回避性」です。これは、利益の喜びと、損失の悲しみを比べると、後者のほうが大きく感じるという人間の特徴を指します。

この「損失回避性」を持っているので、損切りができない、もしくは下手くそなのです。まぁ、仕方がないとも言えますが。

具体的には、10万円の利益を出した喜びと、10万円の損失を出した悲しみを比べてみると、損失を出した悲しみの大きさの方が利益を出した喜びの2倍ぐらい大きいのだ。

これって、ある意味不思議な現象ですよね。利益と損失とでは正反対の結果ではありますが、どちらも同じ金額なのだから、利益の喜びと損失の悲しみの大きさは同じぐらいのはずです。

しかし、行動経済学の中心的理論「プロスペクト理論」によれば、「人間は本質的に損失回避的である」とのこと。

つまり、人は誰でも本質的に損をするのは避けたいという気持ちが強いため、ロスカットをためらう人が多いと考えられます。

なので、我々はこのことを肝に銘じ、相場と対峙したいものですね。

ロスカットをためらう人はリスクを取れなくなる

人は誰でも本質的に損をするのは避けたいという気持ちが強いのが、理論的に理解できたと思います。

ただ、このような感情が行き過ぎると、リスクを取れなくなります。つまり、損失を出すことが恐くなり、リスクを取れなくなるのです。

投資の世界、リスクを取らない限りリターンを得ることはできません。

裏を返すと、お金に執着する人は、損失を出すことについての恐れにこだわるあまり、リスクを取ることが必要な場面で、リスクが取れないということになってしまいます。

これって、世間で言われる、「お金に執着する人は、お金を増やせない」ってことですね。

ルールで縛ることが最良の方法

どんなに相場と対峙しても思い通りにならないのが相場。プロですら負けるのが相場。

とすると、我々は個人投資家はそれを自覚して、しっかりと損失対策をするべきなのです。

つまり、損切りのルールの徹底です。ルールを決めるというのは、「こうなったらこうする」という行動で自分を縛ることです。

いわゆる「億り人」と言われる個人投資家は、いろんなスタイルがいますが、ロスカットルールに関しては徹底しているという特徴があります。ぜひ、見習いましょう。

まとめ

損切りが出来ない理由を知れば、塩漬けにならない対策がとれるのだ!、如何でしたでしょか?

考えてみれば、銘柄選び、エントリーのタイミング、エグジットのタイミングと投資の世界は、「判断の連続」。思惑通り動いてくれれば問題ないですが、そんな時ばかりではないですね。

そこで、「どうなったらどうるすのか?」というトレードシナリオが重要になります。

つまり、株価が反対に動き始めたら、ここで損切りするという判断ができる人が相場の世界は成功するのです。

明日からスマートトレードを心掛けましょう!

ABOUTこの記事をかいた人

独自のチャート分析をもとに相場を張っている現役トレーダー。チャーチストと言われるにもかかわらず、ファンダメンタルズ分析やヒストリカル分析にも詳しい。中でも暴落・暴騰分析は抜群である。メルマガでの的確な天底予測では多くの読者が驚愕する。セミナー講師としても引っ張りダコ。登壇回数は800回を超える。相場の本質を突いた解説はプロからも定評がある。書籍は出せば売れると業界でも注目株。2020年7月に6冊目の新刊が発売されている。